今日も当サイトにおこしくださいまして、ありがとうございます。ベジブタです。
今回は、カリフォルニア州で、動物を守る新しい法案が検討されている、という内容の海外ニュースを読んでみました。
今回読んだ記事
The Iconic African Species Protection Act (SB 1175)
アメリカのカリフォルニア州で、アメリカではじめての法律が制定されるかもしれません。
どんな法律かというと、
「今後、動物のトロフィーをもつことを禁止する」
というものです。
動物のトロフィーとはこれのことです。グーグル画像検索のリンクをはります。
このブログを見にきてくださった方には、このリンクはおそらくつらい内容です。
もしあれでしたら開かなくて大丈夫です。下に説明を書きます。
動物のトロフィーとは、ハンターが狩りをして持ち帰った動物の一部です。
例えば、頭部をはく製にして、壁から飛び出しているように飾ってあるのよく見ますよね。
あれのことです。
「トロフィー」は戦利品の意味で、頭部のはく製以外にも、全身のはく製、絨毯用の毛皮なども含まれます。
先の法案、詳しくは、
「死亡したゾウ、ライオン、キリン、ヒョウ、サイ、シマウマ、ハイエナの、身体の部分の所有を禁止する」
という内容です。
もし制定されれば、アメリカ初となります。
ただ、すでにもっているもの、学術用のものは対象外のようです。
トロフィーハンティングのせいで、動物が絶滅しかけている
このトロフィーを目的にした狩りを、
「trophy hunting(トロフィーハンティング)」
というそうです。
トロフィーハンティングのせいで、動物の数がとても減っています。
ライオンなどはこの20年で、40%減ったそうです。
どのくらいまずい状況なのか、今回の法案にある動物のレッドリストを調べてみました。
レッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成した、絶滅のおそれのある野生生物のリストです。
レッドリストの分類も Wiki から引っぱってきました。
上にいくほどまずい状況。
野生絶滅 (EW) – 飼育・栽培下、あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN) – 絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧ⅠA類(CR) – ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧ⅠB類(EN) – ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧II類(VU) – 絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧 (NT) – 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
そして今回の法案の対象の動物の一覧。
- アフリカゾウ → 絶滅危惧II類(VU)
- アジアゾウ → 絶滅危惧IB類(EN)
- ライオン → 絶滅危惧II類(VU)
- キリン → 絶滅危惧II類(VU)
- クロサイ → 絶滅危惧ⅠA類(CR)
- グレビーシマウマ → 絶滅危惧IB類(EN)
- カッショクハイエナ → 絶滅危惧II類(VU)
どれも紫より上の、まずい状況の動物たちです。
この中では特に「アジアゾウ」と「グレビーシマウマ」が危険な状態です。
「アジアゾウ」は、東南アジアや南アジア、
「グレビーシマウマ」は、エチオピア、ケニアに生息しています。
日本のハンコに使われる象牙は?
今回の法案はカリフォルニア州の州法なので、日本は関係ないのですが、ちょっと気になったことがあります。
「日本で象牙のハンコ、まだけっこう使われてますよね。それって問題ないの?」
上のリストの中に「ゾウ」があったので気になったのです。
それで、日本の印かんもトロフィーハンティングと同じくらいまずいんじゃないのかな、って思ったんです。
1989年のワシントン条約と、その後
調べてみたら、1989年、ワシントン条約以降、象牙の輸入は禁止されていました。
ただその後、個体数が増えたので、1998年、2008年の2回、特別に輸入されました。
40トンと50トン輸入されたそうです。
90トン!?
どれだけの象の数で90トンになるのでしょうか。
これについては、こちらのサイトに答えがありました。
自然死したゾウや、害獣として駆除されたゾウのもののようです。
それが90トンの象牙になるのですね。
象牙の重さも調べてみました。
アフリカゾウの象牙は、長さ3m、おもさ90kg、だそうです。
ということは500頭分。
たしかにそのくらいなら、自然死と駆除の分でいきそうですね。
また脱線ついでに書きますと、1951年から1989年までの累積の輸入量は、6,000トンを超えるようです。
さっきと同じように計算すると16,000頭分。
さらに加えて、印かんの材料として、水牛のツノや、クジラの歯なども使われていることも、今回知りました。
まず知ること
ところで今回、カリフォルニア州でこの法案が出された背景には、トランプ政権がこれまでのオバマ時代をくつがえして、象のトロフィーをケースバイケースでアメリカへ持ち込み可、としたことがあったようです。
これって、トランプ大統領の息子がハンティング愛好家だからでしょうか。
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知ることってほんとうに大切なことだと思いました。
ハンティングや「トロフィー」を趣味にしている知り合いがいないので、動物の絶滅の話などは遠い世界のことのように感じていましたが、自分の住む日本は象牙をたくさん使ってきた国ですものね。
また明日からも、海外ニュースを読んで勉強していきます。
今日も英単語の下に「おまけ」あるよ!
記事に出てくる英単語や熟語
ついでに英語も勉強しちゃいましょう。
読みが難しい単語だけ発音記号を載せています。
ぜひ下の単語一覧を見ながら、上にあげた元の記事も読んでみてくださいね。
- possession【 pəzéʃən 】: 所有、所持
- leopard【 lépərd 】: ヒョウ
- rhino【 ráinou 】: サイ
- hyena【 haiíːnə 】: ハイエナ
- bill : 法案
- state senator : (州議会の)上院議員
- advocacy : 擁護、弁護
- legislation【 lèdʒisléiʃən 】: 立法行為、法律制定
- exemption【 igzémpʃən 】: 免除
- article : 品物、品目
- possess【 pəzés 】: 所有する
- enactment【 inǽktmənt 】: 法律の制定
- bona fide : 本物の、正真正銘の
- institution : 機関、施設
- endangered【 indéindʒərd 】: 絶滅寸前の
- trophy : トロフィー、戦利品
- incentivize : 動機を与える、やる気を起こさせる
- monstrous : 非常に醜い、恐ろしい
- trophy hunting : 合法的に趣味として行う野生動物の猟
- identify : 確認する
- primarily : 主に、主として
- administration : 政権
- reverse : 変えさせる、覆す
- reverse an earlier decision : 先の決定を覆す(撤回する)
- region : 地域、地方
- on a case-by-case basis : 個々の場合に応じて
- appalling【 əpɔ́ːliŋ 】: 驚愕の、恐ろしい、ひどい、最低の
- conservation : 保護、保存
- bold : 勇敢な、大胆な
- federal : 連邦の、政府の
- collectively : 集合的に
- magnificent : 壮大な、堂々とした
- extinction : 絶滅
おまけ – Fiona Apple(フィオナ・アップル)
今回のおまけは、フィオナ・アップルさん。
彼女もヴィーガン。
この「Criminal」お気に入りです。
それではまた次回のブログで。