リチャード・ロジャース(Richard Rodgers)という作曲家がいます。ジャズのスタンダードブックをパラパラめくってみると、たくさんその名前を見つけることができます。今日は リチャード・ロジャース が書いた”Have You Met Miss Jones?“という曲についての話です。ちなみにこんな曲です。
Have You Met Miss Jones? のコード進行
今日は演奏家として、ちょっと恥さらしな話です。
今日 “Have You Met Miss Jones?” を生徒さんと取り組んでいて、サビのコード進行がなぜこの進行になったんだろう、と考えていました。この部分です。
|BbM7|Abm7-Db7|GbM7|Em7-A7| |DM7 |Abm7-Db7|GbM7|Gm7-C7|
(コードの隠れている部分は、左右にスクロールできます)
3つのキー(調)へ、一時的に転調しています(上の “BbM7” 、”GbM7”、”DM7” )。
元々、この曲はFメジャー(ヘ長調)なのですが、
「なぜこれらのキーへ転調しているのだろう」
「なぜこれらのキーを選ぶことことができたのだろう」
と疑問に思ったのです。
「BbM7 は4度メジャーだから分かるとして、GbM7 や DM7 はどこから出てきたキーなんだろう」
借用和音?
そうか、もしかして借用和音とか?
借用和音とは関係性の高いキーから、和音を借りてくることです。あるキーでよく使われるコードを、こちらのキーで使う、ということですね。
「そうか、Bbマイナー(Bbメジャーの関連のキー)から GbM7 が出てくるじゃないか」
「あれ、でも DM7 は? んー」
Dメジャーの方は関連のキーからは探せませんでした。どうゆうことだ。
そうこうしてるうちに、あることに考えが到りました。
「Bb、Gb、D、 Bb、Gb、D、 、、あれ、なんか見覚えあるぞ、、、コルトレーンチェンジだ!」
なるほどコルトレーンチェンジか、でも、、
サビのコード進行、しっかりコルトレーンチェンジになってますね。
コルトレーンチェンジとは、長三度の距離のキーを行ったり来たりするコードチェンジです。例えばC-E-G#。それぞれが半音4つ分の離れ具合になっていますね。
「あれ、でもリチャード・ロジャースって、コルトレーンより古い人じゃない? なんかおかしいぞ」
コルトレーンチェンジって名前がついてるくらいだから、コルトレーンが発明したものじゃないと納得がいかないですよね。早速調べました。Wiki のコルトレーンチェンジのページ。
それはまた、長3度の循環を組み入れた唯一のジャズ・スタンダードとしてのロジャース&ハートの歌「Have You Met Miss Jones?」のブリッジがコルトレーンの革新を鼓舞し続けたと推測される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%BA
コルトレーンのオリジナルじゃないんかい。
というか、たぶん今回の件、有名な話なんですよね。無知の知ってことで反省したので許してください。
なんとなく解決した気になったが
でもよく考えたら、なぜ転調先にあのキーが選ばれたのか、ぜんぜん解決してない。まあ今後の課題としよう。というか、リチャード・ロジャースすごい。がぜん興味が出てきた。
今回のこの記事についてもっと詳しく知りたいと思ったかたは、ぜひ オンラインコミュニティ へいらしてください。

