ベーシストと音楽

ウッドベースの弦高のはなし

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最近ウッドベースの弦高を下げた。というか元にもどした。それもあって、弦高について思うところを少し書いてみる。

結論から書くと、ウッドベースの弦高は、そのひとにあった高さがあると思う。

弦をはじく意味や目的、楽器の仕組み

まず弦を弾くことによって何がしたいのかを改めて考えてみると、弦を大きく振幅させたいんだということに気づく。

その振幅を駒へ伝え、駒で縦振動に変わり、楽器の表板(おもていた)をふるわせ、振動は魂柱(こんちゅう)を通り、さらに奥の裏板(うらいた)を振動させて、最終的にボディの中の空気を振動させる。その空気が外へ出て、われわれの耳にとどく、という仕組みなわけだ。

弦をしっかり振幅させるのが大事なのはエレキベースでも同じだ。しっかりピックするとアンプへのノリがぜんぜん違う。むかし「ウッドベースを弾くひとの、エレキベースの音が好き」というギターの先生がいた。

つまりは、弦を大きく振幅させることができる弦高が「正しい弦高」ということだ。

弦高が低すぎる場合の問題点

弦高が低すぎるとどうなるか。

指をひっかけづらいので、大きく振幅させることができない。深くひっかけられないというか。

正確には、できないのではなく、むずかしくなると考えている。
でないとリチャード・ボナの音が説明できない。リチャード・ボナは弦高が低いことで有名だ

弦高が高すぎる場合の問題点

高いぶんには右手はそれほど問題ないが、今度は左手がしんどくなってくる。押さえる距離が遠くなるためだ

また駒(下駒)が上がることで弦の角度が急になり、テンションが上がることも影響している
この場合、テールピースの角度を変えることでテンションを調整できる。

ちょうど良い高さをさがす

というわけで、自分にとってちょうど良い弦高をさがすべきだと思う。

ただその場合、アジャスターがついた駒でないと色々試せない。
アジャスターについては嫌う演奏家も多いが、弦高の季節変動を吸収できるなど、メリットもあるので、検討してもよいと思う。

ちなみにぼくは現在6mm。弦高は通常、1弦(G線)の指板の端の部分で話す。

ついこのあいだまで7mmにしていた。
クリスチャン・マクブラドが9mmだからあげてみたくなったのだ。

1年ほど7mmで過ごしたが、やはりクリスチャン・マクブラドとは指の太さ、手の大きさがまったく違うと考え、下げることにした。もしかしたらもう少し下げてもよいのかもしれない。

弦高はプレイアビリティに直接影響するので、ぜひ慎重に考えよう。

とりあえず今回書いたことが、この楽器を20年弾いてきたぼくの、弦高にたいする現在の考えだ。またこの先、もしかすると変わるかもしれないけど、その時はまたここに書こうと思う。

今回のこの記事についてもっと詳しく知りたいと思ったかたは、ぜひ オンラインコミュニティ へいらしてください。

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